Date: 2008年12月12日
通勤読書評

「 アホは神の望み」
村上和雄/著
サンマーク出版
最近、電車の中で読んでいる本。
ニュースではリストラの話を聞かない日がない、今日この頃。
アイツか?次は俺か?
そんな緊迫した職場の雰囲気を想像したりするが、
現実はきっと、想像以上なんだろう。
人より、頭ひとつ二つ、いや三つ
それくらい飛びぬけないと、ふるい落とされる・・・
そんな不安と恐怖と戦っている人が、どれだけいることか。
だから、本屋にはそれなりのノウハウ本があふれている。
いかに、限られた時間を有効に、効率よく
他人と差別化できるか、自分の価値を高められるか、
そんな本のタイトルを見ているだけで
“今の自分のままでは、いけないんじゃないか。”
“変わらないと、マズイんじゃないか”
“こうしてる今も、自分だけ取り残されてるんじゃないか”
焦りにも似た気持ちがわき起こってくる。
そんな中で手に取った本。
人生、遠回りしても生きていけるの?
愚鈍で、お人よしで、無邪気に人に弱みを見せたら
この競争社会から蹴落とされない?
読み終わった今、著者に会って、聞いてみたいことは山ほどある。
こざかしく、抜け目なくやって小さくまとまるくらいなら
飛びぬけるほどの、器のでかいアホであれ
そのような文章で始まるこの本は
“何のために生きているのか、わからない”
まさに今、迷っている方にはすごい勇気をくれるんじゃないかな。
著者の専門である遺伝子学の話から始まるが、
話はやがて、私たちが何か大きな力で生かされているという「哲学」の話につながり、
そして、すごい確率(宝くじに60回当選しちゃうくらいの!)で
この世に誕生したキセキは「生物」とか「倫理」にもつながり、
かつ「宗教」でもあり、「道徳」でもあり。。。
学問は全て巡り巡って、全部つながっていたんだ!と
あらためて気付かされました。
そしてこの本を読み終わる頃には、この世の全てがそれと全く
同じ仕組みであることに思いいたります。
単独で存在するのではなく、全てがつながっている・・・
細胞レベルで考えた時、自分の身体の中に
宇宙が広がっているような
そんな感想を持ちました。
著者は筑波大学の名誉教授。
講演会とかあったら、是非、生のお話を聞かせていただきたいものです。
Posted by コアル at 00:41│Comments(0)│本・雑誌・マンガ
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